手話通訳士について
聴覚障害者と健常者の円滑なコミュニケーションを目指して、
制度化されたのが手話通訳士です。
専門的知識や技能だけでなく、人間的な資質も要求されるため
資格取得には3年程度の手話通訳経験が必要になります。
講習会や手話サークル、専門学校や地方自治体の
手話奉仕員養成機関などで経験を積むことが望まれます。
年に一度実施される公認試験を受験すれば資格は取得出来ます。
一次試験日現在、20歳以上なら誰でも受験出来ます。
四肢択一式の一次試験では、障害者福祉や聴覚障害者に関する基礎知識、手話通訳のあり方、
国語、手話の基礎知識などが問われます。
実技試験となる二次試験は一次試験合格者のみが受験でき、
テープレコーダーやビデオで模擬場面が提示され、手話通訳の技術と資質が問われます。
試験に合格すると厚生労働大臣認定の手話通訳士として、
聴力障害者情報文化センターに登録できます。
登録すると病院での通訳業務や講演会などでの通訳、手話教室講師など、
派遣通訳士として活躍の場が広がります。
ニーズは高まる一方で、行政機関、医療機関などの公共機関や
一般企業でも有資格者の採用が増えているのが現状です。
さらに説明しますと、
手話通訳者は、相互の意思伝達が困難な人々の間のコミュニケーションを仲介する行為を行い、
実際の通訳場面では両者の意見や立場を知り得る唯一の人として重要な役割を担っていることから、手話通訳者には、公正な態度、さまざまなことを理解する知識および高い通訳技術が求められています。
手話通訳士試験が求めている、手話通訳者の役割と通訳技術および通訳者としても
身につけておくべき一般教養を評価することは、このことを裏付けているといえます。
公職選挙法の改正により、1995年の参議院議員選挙比例代表の政見放送において
「名簿届出政党等が厚生大臣(現厚生労働大臣)公認の手話通訳試験に合格した手話通訳士を
自らの手話通訳者として政見を通訳させることができるものとする」となり、
手話通訳士の資格が法律の中に明文化されました。
この参議院議員選挙比例代表の政見放送以外は、法律の中で手話通訳士の資格が
明文化されているものはありません。これは、手話通訳士資格が「名称独占」資格で、
「業務独占」の資格ではないことを意味しています。
業務独占資格ではありませんが、最近では、行政機関の窓口に設置する
手話通訳者を募集するときに、手話通訳士有資格を条件にしているところも増えてきています。
また、地域の手話通訳者の派遣事務所では、
司法場面等通訳現場の内容により、手話通訳者の配置を
手話通訳士有資格者としているところもあります。
しかし、全国的にみると手話通訳士有資格者に限らず、
ろう者と運動を共にしてきた手話通訳者や手話学習者が各地域の中で、
ろう者の生活や権利の保障を支えています。
その多くは非常勤の身分であり、身分保障などよい環境とはいいがたい中で
手話通訳業務を行っているのが現状です。
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